インタビューvol.1 Tさん
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どうしてもAI(人工知能)がやりたくて転職。
お客様からの高い評価に、手ごたえを感じています。
技術基盤推進グループ兼ソフトウェアグループ 2017年入社
マネージャー Tさん
前職では大規模な開発プロジェクトの一部分を担っていましたが、開発と要件定義が分業されていてすぐには開発に携われそうもなく、自分のキャリアに危機感を感じて転職を決意しました。どうしてもAIに関連する仕事がしたくて転職活動を進め、縁あってグラビティに入社。念願叶ってAIのプロジェクトに配属になり、実務と並行して、機械学習と自然言語処理について、書籍や論文、オンラインのリソースなどを通して理解を深めました。「文章解読」プロジェクトではテキストの文章解読精度を飛躍的に向上させることができ、お客様からも高く評価され表彰も頂きました。自分が試行錯誤して課題を解決して得られた達成感は非常に高く、手ごたえを感じています。
AIへの情熱が導いた
グラビティへの転職
グラビティに入社するまでのキャリアを教えていただけますか?
前職で転職を考えるきっかけになったのは、技術的な制約です。大規模な銀行業務関連の開発業務を担当していましたが、主に画面操作の業務で、開発よりも操作が中心でした。それが正直言って物足りなかったんです。また、大規模プロジェクトのため、開発と要件定義が分業されていて、システム全体を経験するチャンスは数年先になる見込みでした。そう考えると、自分のキャリアに対して危機感を覚えましたね。プロジェクトを変えることもできたのですが、自分の数学的スキルを活かせるプロジェクトは少なく、転職が早道だと判断し、転職活動を始めました。
なるほど、大規模なプロジェクトにより、業務の制約を感じていたわけですね。転職活動で、グラビティに興味を持った点は何ですか?
グラビティへの入社を決めたのは、自分のやりたいAIにチャレンジできそうだと感じたからです。転職活動では、数学的知識とWeb開発の経験を活かせること、そしてAIへの興味を持っていたので、その分野に特化した企業を探していました。大手企業ではAI経験者の採用が主流で、中小企業も検討しましたが、AIに挑戦する意欲はあっても、具体的なプロジェクトがないことが多かったんです。その中でグラビティは、面接で具体的なAIプロジェクトの話があり、面接官がキャリアについて親身になって話を聞いてくれたことが印象的でした。そして何より、自分が目指すAIにチャレンジできる環境だと感じ、入社を決めました。
お客様からできないだろうと反対された事で逆に火がついた。
自分のアイデアと努力が評価されたことで大きな手ごたえを感じた。
その後、入社してからは、実際どんなお仕事からスタートしたのでしょうか?
「文章解読」プロジェクトでは、どのような課題に取り組んでいたのですか?
このプロジェクトの主な課題は、テキストの文章解読精度を高めることでした。具体的なアイデアや方法については、自分で自由に考え、提案する余地がありました。精度向上の方法を模索して、様々な調査を行った結果、機械学習モデルを使うアプローチを提案しました。最初はお客様から「機械学習では無理では」と反対されたんですが、私は諦めきれず、Word2vecを使って精度向上を実現しました。
それだけではなく、さらに精度を上げるために、自分でDeep Learningモデルを開発しました。でも正直、まだ精度に納得がいかなかったんですよ。最終的には、BERTという自然言語処理モデルを導入することにしました。このBERTは、チャットGPTに似たモデルで、私がBERTを試すことを決めたのは、BERTの論文が発表されてから約1年未満の時期でした。当時、BERTはまだ一般的ではなく、新しいアイデアとして実験的に導入してみたんです。
結果的に、機械学習を使ったこの技術により、テキストの文章解読精度が飛躍的に向上しました。この成果をお客様に提案し、実際に導入されたんです。お客様からも高い評価をいただき、表彰も受けました。この課題を解決した達成感は、本当に大きかったです。自分のアイデアと努力が形になり、新しい技術として採用されたことは、大きな手応えを感じました。
お客様から不可能と言われていたことに挑戦し、何度も試行錯誤して成果を出されたわけですね。
技術の多様性と一体感が、自分の価値を向上させる。
クラウド技術はどのようなプロジェクトを通して身に付けられたのですか。
ビッグデータ解析システムにおけるDevOps業務では、効率的なリソースの運用や自動化プロセスの構築が重要です。このようなプロジェクトを通じて、AWSを使ったクラウド環境でのリソース管理やセキュリティの確保、アプリケーションのスケーリングなどを学びました。AWS EMR上でHadoopやSparkを使用したビッグデータ解析の基本的なアーキテクチャや、AWS Athena、AWS Glueを使ったアドホックなビッグデータ解析も経験しました。
田中さんはこれまでWeb技術、クラウド、機械学習など、多岐にわたる技術を習得され、各技術分野を深く追求し理解していらっしゃるんですね。
AIに関わる上で、クラウド技術の理解は不可欠だと考えています。AI領域だけに精通していても、結局AIモデルが動作するだけではなく、システムをサービスとして提供するためには全体の理解が重要です。これは、浅く広いスキルの習得とは異なります。各技術やスキルを深く理解することで、その技術がシステム全体にどのように影響するかを把握し、問題解決や設計段階で最適な判断ができるようになります。異なる技術領域を統合してシステムを作り、サービス化する能力が身につきました。つまり、私の価値向上は、技術の多様性と一体感にあるんです。
技術の多様性と一体感、それが田中さんの強みですね。現在はAIに加えてクラウド技術を習得して、技術の多様性をさらに高めている最中ということですね?
そうなりますかね。クラウド技術を習得することで、プロジェクトへの貢献範囲が大きく拡がりました。機械学習モデルをクラウド上で展開し、Web技術を活用することで、ユーザーに対してより効果的なソリューションを提供できるようになりました。技術の多様性と一体感を持つことは、エンジニアとしての成長とキャリアの発展に欠かせない要素なんだと、私は思います。
たわいもない会話で、チームメンバー同士のコミュニケーションが深まる
最近は、チームでのコミュニケーション活動として、ゲームショーや高尾山へ行かれたそうですね。
そうなんですよ。僕のチームは、同じ常駐先にいるメンバーと異なる場所にいるメンバーで構成されていて、グラビティでは勉強会や交流会を自分たちで決めて進めることができます。交流会の内容を話し合っていたとき、若手メンバーから「ゲームショーに行きたい」「高尾山に登りたい」という声が上がりました。初めはベテランエンジニアたちも少し躊躇していましたが、最終的には若手の熱意に押されて、「じゃあ、行ってみるか」ということになり、行ってきました。もちろん、参加は自由です。
リモートワークが多い中で、ミーティングもリモート中心ですが、実際にゲームショーや他のイベントに参加して、メンバーとの関係はどう変わりましたか?
普段はリモートワークで直接会う機会が少ないですが、レクリエーション活動に参加することで、メンバー同士の距離はずいぶん縮まったと感じています。オンラインコミュニケーションだけではやはり限界があるんですよね。高尾山ハイキングは全員が参加できたわけではありませんが、温泉に行ったり、食事を共にしたりして、何気ない会話も楽しみました。こうしたカジュアルな会話がチームメンバー同士のコミュニケーションを深めるのに非常に役立っていると実感しています。
さて、「もっとこんな制度や取り組みがあればいいな」と思う点はありますか?
私は、自社内でシステムを作り上げる文化を築くことが大切だと思っています。自社でシステムを運営し、開発する文化を育てることで、新入社員の実践的な育成にも取り組めるし、技術交流も活発にできます。そして、社内に技術が集約されて、強固な技術基盤が構築されると考えています。
目指す先・これからのこと
私はやはり、AIの分野においてさらなる追求を続けたいと思っています。技術的な実績を積み重ねていくことが大切だと感じています。現在はリーダー業務を担当していますが、技術追求を中心に据えつつ、マネジメント領域でも自分の強みを活かしたリーダーシップを発揮して取り組んでいきたいと考えています。